ビジネス・インテリジェンスがチームにもたらすインパクト


ビジネス・インテリジェンス・システムを適切に導入し、効果的な運用を実現できたとき、現場の業務チームにおける業務の運用にも大きなインパクトをもたらします。導入を成功させるために必要なポイントについては他の記事に譲りますが、この記事では、ビジネス・インテリジェンスの導入に成功した時、チームにどのようなインパクトをもたらすのかについてお伝えしていきたいと思います。

1. 現状認識のためのデータ収集にかかるスピードが飛躍的にアップする


ビジネス・インテリジェンスの導入によって期待されるものとしては、経営、あるいは現場業務における適切な意思決定をスピーディに行うということがあります。適切な意思決定のためには、意思決定の判断材料に必要なデータの収集、加工、分析ということが必要です。

もちろん、ビジネス・インテリジェンスを導入していない企業であっても、そのようなことは意識して行われていると思います。ただ、従来のシステムから判断に必要なデータを収集し、それに統合・集計などの加工をして、最終結果をもとに分析するというプロセスには、現場の業務チームに大きな作業負荷と時間をかけているのではないでしょうか。

ビジネス・インテリジェンスを適切なプロセスを経て導入することは、これらの作業負荷と時間を減らし、飛躍的なスピードアップを図ることにつながるのです。

意思決定に必要なデータというのはたいてい複数のシステムに分散しており、それらをかき集めて1つの有用な指標となるデータに作り上げることになると思います。よくあるのは、会計システムには全ての事業活動に必要なデータが蓄積されるのですが、あくまで会計として計上されるサマリーデータしか保持しておらず、あらゆる切り口で分析するためにはサマリーではなく明細データを必要とするため、会計システムのデータは使えず、結局データを提供している元のシステムから抽出せざるを得ないことです。

その場合、提供元システムに保持しているデータは他システムに連携する形式でないため、IT部門の担当者に依頼して臨時でデータ抽出をしてもらうことが必要になります。あるいは、その作業依頼が定期的に発生するようならデータ抽出の部分だけを個別に自動化してもらっているというケースもあるでしょう。

これがビジネス・インテリジェンスを導入すると、分散した複数のシステムからデータを抽出して統合することができますので、集計作業を効率的に実施することができるようになります。

また、IT部門にデータの提供を依頼しなくて済むようになりますので、人的な運用負荷を下げるという点でも効果を見込むことができるでしょう。

2. データ分析が柔軟に行え、かつスピードアップする


意思決定を行うために必要なデータや分析の切り口は、常に同じというわけにはいきません。ビジネスの進行状況や、最初に立てた仮説どおりの傾向で進捗しているかどうかによって、収集するデータや分析する切り口を変えていくことも必要になります。

従来のシステムであれば、そのようなビジネス環境の変化に対応する場合、やはりIT部門に依頼して管理帳票の内容を変更したり、新しい帳票を追加したりということが必要でした。これらはスピーディーに対応しなければならない事象にもかかわらず、IT部門の対応にはそれなりに時間がかかってしまいますのでタイムリーに機能を提供できず、それまでの間はユーザ部が手作業でデータを加工したりということが必要になります。

ビジネス・インテリジェンスはこういったデータの加工や管理帳票の作成をユーザ部で独自に実行することができます。開発費用の削減になることはもちろん、ビジネス環境の変化、ユーザのニーズの変化にタイムリーに対応することが可能になります。

セルフサービスBIを利用している企業

3.オンライン上の意見交換ができ、意思決定までのスピードが速くなる


ビジネス・インテリジェンスのパッケージ製品に含まれる機能にもよりますが、中にはチャット機能などが充実しているものもあります。或いは外部のチャットソフト、例えばslackというチャットサービスの機能と連携することにより、定点観測用のレポートを関係者と日々共有するといったことも可能です。この機能を使いこなして、数値を共有しながら改善のためのアイデア出しをしたり、施策内容を検討することで、意思決定にかかる時間を短縮することが可能ですし、これまで必要だったレポートの作成と共有にかかっていた作業負荷も軽減できます。

従来であれば、週1回くらい会議の場が設けられていて、各部門で作成した報告用のレポートで実績値や進捗状況を持ち寄り、課題や今後の進め方を共有していくということが行われていると思いますが、このスピード感ではなかなか進んでいかないことも多いと思います。

オンライン上でレポートを共有し、それをもとにリアルタイムで活発な議論を行うことで、週1回の会議の場を待たず多くの検討を進めていくということが可能です。

ただし、これを効果的に行うには関係者全員がいかに機能を使いこなすか、そして意思決定までのスピードを速めるという意識を高めることが必要になってきますので、このことはビジネス・インテリジェンスを導入するにあたっての重要なポイントのひとつと考えられるでしょう。

4.最後に


ビジネス・インテリジェンスツールを導入することにより、どんな利点が企業にもたらされるのか?足元直接的な利益ではないかもしれませんが、データドリブンな企業環境を整備することによる中長期的な利益は大変大きなものとなり得るでしょう。


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